2026/5/12
ピューロランド

ピューロランドのエンターテイメントを結集した、「ストーリー没入型研修」ができるまで

「アルバイトスタッフのスキルアップ研修」

「スキルアップ研修」とは、アルバイトスタッフのなかでも接客を担うスタッフが一堂に会する研修のこと。各部署から集まった社員が主体となって企画・運営し、毎年テーマや内容を変えながら、接客スキルはもちろん、おもてなしの心や仕事への向き合い方までを学びます。

2026年2月に行われたスキルアップ研修では、初の試みとして物語仕立ての没入型研修が行われました。舞台は「フェアリーランドシアター」。参加者は5つのワークに挑み、“しあわせの欠片”を探す冒険へと旅立つという内容です。この研修をつくり上げたのは、異なる部門から集まったメンバーたち。参加者が楽しみながらピューロランドの思いを感じられる研修を目指して、試行錯誤を重ねました。その舞台裏を、3人が代表して語り合います。

Profile

サンリオピューロランドパーク運営部 ホスピタリティ推進課
アマイ
担当:プロジェクトの進行管理と各種調整を行う、研修チームのリーダー。
テンションが上がる瞬間:かわいいものを発見した時。スイーツモチーフが特に上がる!
サンリオピューロランドパーク運営部 アトラクション課
くしろ
担当:没入感あふれる冒険の世界観をもった、研修ストーリーの原案を作成。
仕事のやりがい:従業員のみなさんが自信をもって活躍し、お客様の笑顔を生み出していく姿を見ること。
サンリオピューロランドパーク運営部 サービス課
みちママ
担当:参加者が研修に没入できる仕かけを考え、ワークの企画・演出を提案。
最近ハマっていること:子どもと電車でいろいろな場所へお出かけすること。

一人ひとりが自分ゴトとして考え、気づきを得られる研修にしたい。

なぜ、「ストーリー没入型の研修」をつくったのか?

アマイ(ホスピタリティ推進課):研修チームは、アトラクション課、サービス課、飲食課など、普段は異なる現場で働く7人のメンバーで構成されています。みんな業務の合間を縫いながら、月2回のミーティングを重ねて約4か月でつくり上げていったんですよね。

くしろ(アトラクション課):そうですね。最初のミーティングでは「今回はどんな研修にしたいのか」について、みんなで話し合ったことを覚えています。そこで出てきたのが、「参加者没入型で、ストーリー性のある研修に挑戦しよう」という意見でした。「接客ではこれが大切です」「こうしてください」と一方的に伝えるのではなく、一人ひとりが自分ゴトとして考え、気づきを得てもらえるような没入感のある研修にしたい――そんな思いを胸にスタートしました。

みちママ(サービス課):一般的に「研修」って、少し緊張してしまうイメージがありますからね。今回私たちが目指していたのは、「参加者が楽しみながらストーリーに没入できるような研修」をつくること。研修を通して伝えたいことや、身に付けてほしい力についてしっかり考えたうえで、ピューロランドの「エンターテイメント」を感じてもらえるような研修にしよう! と、全員で意見を出し合いました。

35周年のパレードやイベントが、ストーリーづくりのヒントに。

みちママ(サービス課):ショーやパレードに込められた想いを一番近くでゲストに届けることができるのは接客部門のスタッフたちです 。だからこそ研修チームでは、「ピューロランドがゲストに届けたいメッセージは何か」 、そして「そのメッセージをどう届けていくべきか」を自分ゴトとして考えてもらえるような研修にしたいと話していました。では、今のピューロランドが一番伝えたいメッセージはどこに隠れているのだろう……そう考えた時に行き着いたのが、ピューロランド35周年の新パレード「The Quest of Wonders Parade」だったんです!

アマイ(ホスピタリティ推進課):「The Quest of Wonders Parade」は、「永遠にしあわせになれる秘宝」を探してハローキティたちが冒険に旅立つ物語。そこからインスピレーションを得て、くしろさんが研修ストーリーの土台をつくってくれました。

くしろ(アトラクション課):はい、担当させていただきました! ストーリーづくりにあたっては、パレードに加えて、ピューロランド35周年イベントのお楽しみである「ピューロアドベンチャラー」も参考にしました。これは、ピューロランド内にいる専用のバッグを持ったスタッフ(ピューロアドベンチャラー)に話しかけると、ゲストのみなさんもピューロランドを巡る冒険に出かけることができるという、館内ウォークスルー型のコンテンツです 。これらの要素を組み合わせながら、ストーリーの原案をつくりました。

みちママ(サービス課):でも、このプロジェクトがスタートした時、パレードやイベントはまだ始まっていなかったんですよね。まだ上演開始していないパレードの内容を紐解き、研修ストーリーを考えていったことを覚えています。大変ではありましたが、いい思い出です!

ピューロアドベンチャラーの目印

フェアリーランドシアターを舞台に進行するストーリー。

一つひとつにメッセージを込めた、5つのワーク 。

アマイ(ホスピタリティ推進課):くしろさんの考えてくれたストーリーを軸にメンバー全員でワークの内容や演出を考えていきました。そして最終的に出来上がったのは、「リリー」と「レイ」という2人の登場人物とともに“しあわせの欠片”を探すという冒険の物語。ワークを通して“しあわせの欠片”を集め、仲間がいなくなってしまったフェアリーランドの平和を取り戻す! そんな研修が誕生しました。

みちママ(サービス課):舞台に「フェアリーランドシアター」を選んだのもポイントです。今回は「世界観」「没入感」にこだわりたかったんです。幻想的なフェアリーランドシアターで、私たち研修スタッフも「リリー」と「レイ」を演じながら、物語の一部となって研修を進めていくという仕掛けにしました。

アマイ(ホスピタリティ推進課):研修冒頭からわくわくするような仕掛けを考えたんですよね。みなさんにはまず、シアターに入る前の待機場所に集合してもらうのですが、シアターに通じる扉が開かなくて!「みんな助けて!」と声をかけ、謎解きを通してシアターに入るための合言葉を見つけ出してもらうところから始まります。その時点で、「今回の研修はいつもと違う」と感じてもらえたのではないかと思っています。

くしろ(アトラクション課):そしてシアターに入ったあとは、5つのワークに挑みます 。他者との共通点や相違点を見つける2種類のビンゴ、ピューロランドの35年の歴史を学ぶ映像、そして「ピューロランドが大切にしていること」を深く理解してもらうためのグループワーク……。最後は「これからのピューロランドをつくっていくのはみなさんです」というメッセージを込めて、「ピューロランドでどんなしあわせを届けたいか」「どんなスタッフになりたいか」を考えてもらうワークを行いました。

各ワークの終わりに“しあわせの欠片”であるキーワードが手に入るのですが、そのキーワードの頭文字を合わせると「HAPPY」という言葉になる。そんなストーリーです。楽しんでもらうことはもちろんですが、それだけで終わらないように、各ワークの目的や狙いを一つひとつ確認しながらつくり上げていきました。

フェアリーランドシアターで好評上演中の「びょんわぁ~beyond words~」の劇中シーン

各々の得意分野を活かし、細部まで「世界観」にこだわり続けた。

アマイ(ホスピタリティ推進課):「ピューロランドが大切にしていること」を紐解くグループワークは、みちママさんのアイデアなんですよね。

みちママ(サービス課):はい! パレードやショーに出てくるセリフや歌詞から、 「ピューロランドが大切にしているメッセージは何だろう」と考えてもらうグループワークを行いました。

そのなかの演出にもこだわりがあるんですよ。リリーとレイは、ピューロアドベンチャラーの長老から「ピューロランドのショーやパレードの謎を解き明かすヒント」が書かれた手紙を渡されていたのですが……紛失してしまうんです 。実際にその手紙は、フェアリーランドシアターのどこかの椅子の下に隠してあって。 「みなさん、一緒に探していただけますか!」と呼びかけ、全員に探してもらう演出を考えました。さらにその手紙、光を当てると隠されていた文字が浮かび上がる仕様にしていたんです!

くしろ(アトラクション課):そうしたアイデアひとつとっても、「世界観」を追求したんですよね。手紙以外にも、たとえば参加者に配った冊子は、デザインが得意なメンバーが1冊の本のように仕立ててくれました。さらに、フェアリーランドシアターの雰囲気に合うようにと、機材を隠す木箱型のカバーを手づくりしてくれたメンバーもいましたね。

アマイ(ホスピタリティ推進課):メンバーの一人ひとりが、参加者がいかに楽しく、物語に没入していけるかを考え抜いたからこそ生まれたこだわりですよね。それぞれのもつ得意分野や個性が、研修のあちこちに活かされていたと思います。あと、音響や照明も今回は自分たちで担当したんです。それまで機材を扱ったことがなかったので、ショー運営部の方に事前レクチャーをいただいて。本番はみんな、ドキドキしながら操作していました。

みちママ(サービス課):研修は計6回行ったので、その回によってリリーとレイを演じる人、音響、照明と担当が変わるんです。そのなかでも私は、演じることが何より緊張しましたね。私たちが本気で演じないと、みなさんがストーリーに没入することはできませんから。業務の合間を縫って練習を重ね、役になりきることを意識して挑みました。そうしたら、研修後に「リリーを演じていた人ですよね?」と参加者に声をかけてもらえて!

それだけ記憶に残る研修を届けることができたのだなと、嬉しく思いました。

ピューロランドの「思いやり」を感じてもらえる研修を、これからも。

なんでも言い合える雰囲気が、最高の研修を生んだ。

ピューロランドは2025年12月7日で35周年を迎えました。

くしろ(アトラクション課):振り返るとこの研修は、このチームだったからこそつくり上げることができたものだと思っています。メンバーの間には、何でも言い合えるような雰囲気がありましたよね。

みちママ(サービス課):確かにそうですね。私は「こういう演出を入れたいです!」と突発的にアイデアを出すことも多かったのですが、 「ぜひやろうよ!」とみなさんが背中を押してくれました。

くしろ(アトラクション課):もちろん、それぞれ違う部門でお仕事をしているので、なかなか意見が合わないなんてこともありました。そんな時は、リーダーのアマイさんがうまく取りまとめてくれて……。各々が意見を出し、その意見がしっかり反映される場があったからこそ、全員で同じ目標に向かって走り切ることができたと思っています。

アマイ(ホスピタリティ推進課):「ストーリー性のある研修」はピューロランド初の試みでしたが、メンバー全員のもつアイデアや知恵を結集することで、生み出すことができたと思っています。それに、35周年の歴史を伝える映像をつくってくれた方、音響や照明の事前レクチャーをしてくれた方、研修当日に使うスクリーンを貸してくれた方など、本当にたくさんの部署の人が嫌な顔ひとつせず協力してくれました。多くの人に支えてもらった研修だったと、改めて実感しています。

参加者の前向きな声が、次の研修づくりの原動力に。

みちママ(サービス課):参加者からの感想で印象的だった言葉があります。それは、「研修で出てきた意見や考えのなかには共通する想いがあり、みんなが同じ方向を向いていることがわかった」という声です。ピューロランドは、多くの人が力を発揮してこそ成り立っている場所。みなさんにもそのつながりを感じてもらえたのは、大きな成果だったと思っています 。

くしろ(アトラクション課):もうひとつ印象に残っているのが、「研修スタッフが心から楽しんでいる様子を見て、自分もそうなりたいと思った」という感想。私たちも「お客様を楽しませるためには、まずは自分が楽しむことが大切」というメッセージを届けたいと思っていたので、その想いが伝わっていたのは嬉しかったです。

アマイ(ホスピタリティ推進課):研修後、自分から積極的に楽しもうとするスタッフのみなさんの姿が見られるようになりましたし、現場の雰囲気も明るくなった実感はありますね。

みちママ(サービス課):そんな姿を見て、今後も誰かの背中をそっと押すような研修をつくりたいと思いました。ちょっと勇気が出ないことも、私たちの一言やメッセージで「もう一歩踏み出してみよう!」と感じてもらえる。そんな研修を目指していきたいですね。

くしろ(アトラクション課):そうですね。今回「楽しいだけでなく、学びも多かった」という感想もいただいているので、ストーリー没入型の研修は今のスタッフのみなさんにすごく合っているんだなと感じました。これからも私たちのメッセージが一番届く形は何かを考え続けながら、没入感のある研修をつくっていきたいと思います。

アマイ(ホスピタリティ推進課):知識やスキルはもちろん大切ですが、何より私が伝えたいのは、ピューロランドで働く人たちがもつ温かさや思いやりの心。そんな気持ちをみんなで育てていく研修を、これからもこのメンバーと一緒につくり続けていきたいです!

※本記事は2026年3月時点の内容です。