2026/9/30
ピューロランド

35周年の節目となる、約10年ぶりのブランドCM ―改めて問い直す、サンリオピューロランドの価値とは?―

どんなお客様も歓迎する、サンリオキャラクターに会える場所

2025年12月、サンリオピューロランドは35周年を迎えました。この大きな節目にあわせて制作したのが、今伝えたい大切なメッセージを込めた約10年ぶりとなるCMです。サンリオキャラクターと出会うことで得られる登場人物の心情変化に価値を置き、ピューロランドが「居場所」となれるようにという願いや、いつでも待ってるよという気持ちを映像に込めています。

地上波だけでなく、WEBやSNSなど各メディアで展開した今回のCM。制作にあたっては、「ピューロランドとは、改めてどのような場所なのか?」というピューロランドの存在意義を再定義するところから始まりました。

まず見えてきたのが、“どの年齢層の方が来場されても楽しめる場所”であること。ピューロランドを訪れるのはファミリーや女性が多いイメージですが、今回のCMには、若い男性グループやおじいちゃんとお孫さんなども登場。10年前から顧客層が広がっていることを意識し、どんなお客様が遊びに来ても楽しめる場所であること、そしてどんなお客様も歓迎しているというピューロランドの姿勢を表現したいと考えました。

もうひとつ打ち出したいと考えたのが、“サンリオキャラクターに会える場所”というピューロランドの原点ともいえる価値です。ピューロランドで実際にキャラクターとふれあうお客様は本当に嬉しそうな表情をされている、と多くのスタッフが感じています。加えて、来場アンケートの結果でも、キャラクターとのグリーティングが主な来場理由として挙げられています。

とはいえ、CM制作では最初からキャラクターとのふれあいだけに焦点を絞っていたわけではありません。ピューロランドで楽しめるコンテンツは、アトラクションをはじめ、本格的なショーやパレード、レストランやショップなど多岐にわたります。ピューロランドの価値をどのように伝えるかを模索するなかで、キャラクターとのふれあいがお客様にとってより重要な体験価値になるのではないかという結論に至り、焦点を絞ることにしました。

外部の協力も得ながら考えをまとめあげ、“幅広い年齢層の方々が楽しめて、サンリオキャラクターと会える場所”であることが、CMで一番伝えたいピューロランドの価値であると位置づけていきました。

ピューロランドのCMだから実現した、あたたかい“ハグ”

今回は、老若男女を問わずお客様がパーク内でサンリオキャラクターたちと交流するシーンを描いた地上波CM「たくさんのハグ」編と、WEB CM4作品を制作しました。

すべてのCM表現における共通点は、キャラクターと登場人物が交わすあたたかい“ハグ”です。この表現が導き出された背景には、「サンリオエンターテイメントや、ピューロランドだからこそできる表現をCMで打ち出したい」という想いに加え、「忙しい毎日を過ごしているみなさまに、癒しや心のやすらぎを届けたい」という願いもありました。

「CMの登場人物がサンリオキャラクターのグッズを身に着けることも、キャラクターとのふれあいを表現するひとつの方法です。しかし実際のキャラクターを目の前にすると、また異なる格別の喜びや癒し、感動が訪れます。
実際にゲストがキャラクターとのハグを体験する時、とても幸せな表情を浮かべています」(ピューロランド CMプロジェクトマネージャー)

現状、サンリオキャラクターとの距離が一番近い場所は、サンリオエンターテイメントが運営するピューロランドなどのテーマパークです。キャラクターとふれあった時に癒されたり、やさしい気持ちになったりする……その心の変化こそが、サンリオエンターテイメントがお客様に提供できる価値だと考えたのです。

だからこそCMでも、その心の変化をいかにリアルに表現できるかが鍵になります。実際にピューロランドでゲストを見続けてきた担当者が大切にしたのは、リアルな体験との乖離をなくすことでした。

「お客様が来場された時に”CMとは違う”と感じてしまうと、1回きりの来場になってしまう可能性もあります。実際にピューロランドを訪れた時の心の動きと、訪れる前の想像とのギャップが少なくなるよう、幅広い案のなかから慎重に表現を見極めていきました」(ピューロランド CMプロジェクトマネージャー)

日常に現れたキャラクターが、心理的距離を縮める

WEB CMの4作品は、“日常のなかにもピューロランドがある”という感覚を視聴者に届けるため、あえて街中や公園などパーク外のリアルな日常を舞台としています。各CMには若い女性や会社員と思われる男性、年の近い姉妹や女子高生などの悩める人物が登場。そんな彼らの前に、サンリオキャラクターが現れます。

たとえば、疲れた気持ちに押しつぶされそうな女性の前に現れるのはハローキティです。ふたりはあたたかいハグを交わし、手をつなぎながらスキップしていきます。さらに、部下との接し方に悩みながら帰路に就く男性の前には、ポムポムプリンが登場。ハグをされて、癒しを感じる男性の姿が描かれています。

パークの外を舞台に展開するストーリー案は「まだ来場されたことがない方に、ピューロランドでキャラクターと触れ合う体験を”自分ゴト化”していただくには、どのような表現が望ましいか?」という問いの答えを模索するなかで生まれました。「テーマパークと自分を、うまく結びつけられない方もいるのではないか?」という仮説から、日常に存在するサンリオキャラクターを描くことに。

日常生活を送るうえで、時に誰もが感じる辛さや寂しさ、そして嬉しさ――。サンリオキャラクターたちは、その心情に寄り添い、やさしさで包み込みます。こうした心情の変化を、ピューロランドでも体験できることを伝えたい。それが、今回のWEB CMに込めた想いです。

インパクトの強い表現ではなく、今までピューロランドが培ってきたやさしさや温かさをストレートに打ち出すことで、性別に関係なくどの年齢層の方も受け入れ、癒やしをもたらす施設であることを伝えるCMシリーズが完成しました。

実験的な要素もありながら、認知度や好感度が上昇

一方で、ハグやグリーティングをコンセプトとしたのは、実験的な要素も含んだ決断でした。たとえば、ショーやパレード、レストランやショップなど、ゲスト満足度の高い要素はほかにもあります。そのなかであえてグリーティングを推すのはなぜか、という社内意見もありました。さらに社内のCM制作チームには、サンリオキャラクターとの“ハグ”に、CMを観た方がどれほどの価値を感じるだろうか、という不安もありました。
意見の相違や葛藤を乗り越えた末に完成した今回のCMですが、放映後のアンケート調査では、「癒される、肯定される」「訪れたことはないけど、好感をもった」といった項目のポイントが上がり、キャラクターがもつエモーショナルな価値が伝わったといえる結果となりました。

社内でも、想定外の需要がありました。当初CMを流す媒体としては、TikTokなどのSNSプラットフォームやWEBメディア、動画配信サービスを想定していましたが、当初の予想を超えて、現在はピューロランド館内やサンリオの店舗、サンリオキャラクター大賞やピューロランド外でのイベントで放映する動画としても使われています。

楽しんでもらうために。CM公開後も続く探究

外部パートナーと組み、ピューロランドがもつ価値について様々な視点から意見を交わせたことも、今回の収穫になりました。ほかのテーマパークとの違いを深掘りすることで、ピューロランドならではの表現に上手く結び付けることができました。

「15秒、30秒というCM表現ではすべての価値を伝えきれないため、キャラクターとの“ハグ”に絞ったのが今回の挑戦でした。認知度や好感度アップの結果を得て、たとえば今後はショーやパレードがもつ物語性をCMで表現しても、ピューロランド来場のきっかけが増えるのではないかといった可能性も実感できました」(ピューロランド CMプロジェクトマネージャー)

今後は、CMを観てピューロランドに興味をもった方々に向けた動画制作も予定しています。たとえば、どのエリアでサンリオキャラクターと会えるかを詳しく説明する動画を公開することで、今回のCMで感じてもらったグリーティング体験の価値訴求につなげるだけでなく、ピューロランドの魅力を満喫していただくことを目指します。

さらに新しい情報を提供し続けることで、まだピューロランドを知らない方へのアプローチも続けます。さらなる認知度向上のために、たとえば、より動画配信に強いパートナー会社と組んでさらに多くの媒体に出稿したり、ポスターなどのグラフィックデザインが得意な会社と組んで屋外広告にチャレンジしたりといったプランも検討を進めています。

ピューロランドまでの距離が遠く、なかなか来場する機会が少ない層に向けた施策も考えています。たとえば館外でグリーティング体験の機会をつくり、体験者を館内に呼び込むといった施策にも挑戦してみたいです。今回のCMを布石に、「ピューロランドの価値を広く深く伝える」という挑戦は新たなステージへと進んでいきます。

※本記事は2026年取材時点の内容です。